日本臨床外科学会雑誌
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症例
Coffin-Lowry症候群に発症したS状結腸憩室炎による直腸肛門周囲膿瘍の1例
藤田 昌久石川 文彦新田 宙釜田 茂幸伊藤 博
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2018 年 79 巻 5 号 p. 1061-1064

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抄録
症例は31歳,男性.幼児期にCoffin-Lowry症候群と診断されていた.1カ月前より続く発熱と前日からの腹痛,肛門痛を主訴に初診.肛門周囲膿瘍の診断で切開排膿術を行った.1週間後に腹痛のため再診.CT検査で骨盤直腸窩から皮下に及ぶ直腸肛門周囲膿瘍の診断となり,切開排膿部よりドレーンを留置した.ドレーンから排膿が続くため瘻孔造影を繰り返し行ったところ,S状結腸との交通を確認し,注腸および内視鏡にてS状結腸に多発する憩室を認めた.以上よりS状結腸憩室炎による直腸肛門周囲膿瘍と診断し,初診から3カ月後,待機的にS状結腸切除術を行った.手術所見でS状結腸は直腸膀胱窩の右側に癒着し,同部に後腹膜の膿瘍腔へ通じる瘻孔を認めた.S状結腸憩室炎により直腸肛門周囲膿瘍が生じることは稀であり,また,Coffin-Lowry症候群と大腸憩室疾患の関連を示唆する報告は少なく,貴重な症例を経験したので報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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