抄録
稀な病態である虫垂真性憩室を病理学的に診断しえた2例を経験したので報告する.症例1は右下腹部痛を主訴に受診した.CT検査で虫垂の腫大と周囲脂肪織濃度の上昇を認め,急性虫垂炎の診断となり,保存的加療の2カ月後に腹腔鏡下虫垂切除術が施行された.症例2は心窩部痛を主訴に受診した.CT検査で虫垂周囲に多発する嚢胞形成と脂肪織濃度の上昇を認め,虫垂憩室炎の診断となり,保存的加療を開始したが採血と画像検査所見の増悪を認めたため,入院2日目に腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.病理組織学的所見ではいずれも炎症細胞浸潤を有する真性憩室を認め,虫垂真性憩室炎と診断した.