抄録
症例は76歳,男性.左上肺野異常陰影のため当院を紹介され精査の結果,肺混合型小細胞癌(cT3N2M1b(骨転移); cStage IV)と診断されたが,CTで虫垂根部に腫瘤影も認めたため当科紹介となった.虫垂腫瘍の診断で,穿孔の危険性も考慮し肺癌治療に先行して回盲部切除術,D2リンパ節郭清術を施行した.病理組織学的検査で肺混合型小細胞癌の虫垂転移と診断した.術後32カ月現在,化学療法等を行いながら担癌生存中である.肺癌虫垂転移はまれとされており,肺混合型小細胞癌による虫垂転移は検索しえた範囲で本邦報告例は無く,今回若干の文献的考察を加え報告する.