日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
劇症1型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシスに併発したNOMIの1例
藤井 学人田代 浄古川 聡一山下 俊竹中 芳治正木 幸善
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 11 号 p. 2034-2038

詳細
抄録

症例は64歳,女性.全身倦怠感,嘔吐を主訴に近医を受診.血糖値854mg/dl,pH 7.032,アニオンギャップ29.9mmol/lと劇症1型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis : DKA)が疑われ当院内科に入院となった.右下腹部痛も認め,CT検査で終末回腸の気腫像および門脈ガスを認めた.腸管壊死の疑いで同日,緊急手術を施行.終末回腸に分節状の虚血性変化を認めた.DKAによる末梢循環不全が予想され,一期的には吻合せず小腸切除,人工肛門造設術を施行した.病理学的所見は非閉塞性腸管虚血症(non-occlusive mesenteric ischemia : NOMI)と考えられた.劇症1型糖尿病にDKAを併発し急激な末梢循環不全によるNOMIを発症した症例を経験した.意識障害で発見が遅れる可能性もあり,NOMIを念頭に置きフォローする必要がある.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top