2019 年 80 巻 2 号 p. 386-391
症例は41歳,男性.発熱と心窩部痛を主訴に近医を受診し,CTで内部に高吸収域の線状陰影を伴う肝膿瘍を指摘された.食餌摂取歴から魚骨の胃壁穿通による肝膿瘍が疑われ,抗菌薬投与下に継続加療目的に当科紹介となった.腹腔鏡下肝内異物摘出術を施行し,術中超音波検査を異物の同定および遺残の確認,ならびに周囲脈管の評価に用いた.術後経過は良好であった.魚骨の胃壁穿通による肝膿瘍における待機的異物摘出術として低侵襲かつ拡大視が可能な腹腔鏡下手術は有用であった.一方で,術中の触診は困難であり,補完的な術中超音波検査の併用が有効であった.