日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下直腸切断術を行った脳室腹腔シャント留置下直腸癌の1例
真木 茂雄岡田 拓久小川 博臣宗田 真調 憲佐伯 浩司
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2021 年 82 巻 6 号 p. 1165-1171

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抄録

脳室腹腔シャント(ventriculoperitoneal shunt:以下VPS)は脳血管障害による水頭症に対する治療法である.VPS留置患者の腹腔鏡手術では,気腹に伴う腹腔内圧上昇によるシャント機能不全や頭蓋内圧上昇,逆行性感染が報告されているが,VPSの術中管理法は一定のコンセンサスを得られていない.症例は82歳の女性.くも膜下出血後の水頭症に対しVPS留置中であった.前医通院中に血便と貧血進行を認め,下部消化管内視鏡検査で直腸癌の診断となり当科紹介となった.精査の結果,直腸癌 Rb cT3N0M0 Stage IIaだった.脳神経外科と相談し,逆流防止弁付きVPSであるが術中はクランプし,腹腔鏡下直腸切断術D3LD0を施行した.術後合併症なく退院し,10カ月経過した時点で明らかな脳神経学的異常は認めていない.VPS留置下の直腸癌に対して,腹腔鏡下直腸切断術を施行した報告例はなく,文献的考察を含めて報告する.

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