2022 年 83 巻 11 号 p. 1983-1987
症例は36歳,女性.20歳時に他院でFAP,多発大腸ポリープの診断にて大腸全摘術,人工肛門造設術を行った.2021年の検診で上部消化管内視鏡検査を行い,多発する十二指腸腺腫を認めた.精査の結果,修正Spigelman分類Stage IVの診断となり,手術目的に当院紹介となった.手術は亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.FAPに合併する十二指腸癌は大腸全摘後の予後規定因子といわれており,ガイドラインでは修正Spigelman分類Stage IV以上で手術が考慮される.術式に関しては膵頭十二指腸切除術(PD)もしくは膵温存十二指腸切除術(PSD)が挙げられるが,Stage IVにおける治療選択には内視鏡サーベイランスも併記されており,治療選択の妥当性についてのエビデンスは十分ではない.若干の文献的考察を加え報告する.