目的:甲状腺疾患の超音波ガイド下穿刺吸引細胞診(UG-FNAB)で気管穿刺に気付かず,細胞診結果で線毛円柱上皮を認めることが稀にあり,その影響を分析した.方法:2005年1月~2022年6月にUG-FNAB施行例のうち,細胞診所見で線毛円柱上皮を指摘された症例を対象とした.結果:全1,042,356症例中,線毛円柱上皮を含む細胞は19症例(0.0018%)で認めた.5mm以下の腫瘍は1例で,10mmを超えるものが半数であった.石灰化で腫瘍内部や気管境界部の描出が不明瞭なものは5例のみだった.再検などで悪性7例,良性5例と診断されたが,7例は未診断のままであった.続発する合併症はなく,悪性例で局所再発は認めなかった.結論:気管穿刺は続発する合併症や癌再発という点で大きな問題はなさそうであるが,診断率は下げる.線毛円柱上皮を認めた際は腫瘍サイズや形状に関わらず,気管穿刺の可能性も考慮する必要がある.