2023 年 84 巻 3 号 p. 479-485
65歳,女性.心窩部痛と背部痛を主訴に当院消化器内科を受診し,精査で膵頭部に5.4×3.3cm大の嚢胞性病変を認め,膵管内乳頭粘液性腺癌(cT2N1M0 cStage IIB)の疑いで亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.R0切除が得られたが,術後3カ月で多発肝転移を認めた.GEM+nab-PTX療法を6コース行ったが,腹膜転移をきたした.追加で施行した免疫染色により膵腺房細胞癌(pT3N1M0 pStage IIB)との診断となった.GEM+nab-PTX療法が奏効しなかったことからmFOLFIRINOX療法に変更し,6コース行った時点で多発肝転移の消失と腹膜転移の著明な縮小を認め,PRを得た.現在,術後14カ月生存中である.