全日本鍼灸学会雑誌
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原著
スポーツ選手に対する円皮鍼の有害事象に関する前向き調査研究
村越 祐介石井 輝藤本 英樹
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2024 年 74 巻 1 号 p. 2-12

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抄録

【目的】本研究の目的は、 スポーツ選手に対する円皮鍼の有害事象を前向きに調査することである。 【方法】対象は中学女子バスケットボール選手23名とし、 方法は前向き調査研究とした。 円皮鍼は選手自身が練習前に貼付し、 練習終了後に抜去し有害事象の調査を可能な限り1年間繰り返し実施した。 円皮鍼 (セイリン社製パイオネックス) は0.6mmを使用し左右大腿前面部の合計6部位に貼付した。 調査項目は(1) 練習中の円皮鍼による不具合の有無、 (2) 不具合によるプレーへの支障の有無などとした。 有害事象は参加人数および計6部位に対する発生頻度を算出した。 【結果】1年間で計25回の調査を実施した。 解析対象となった選手は18名で平均参加回数は20.1±4.1回であった。 のべ参加人数は362名、 のべ使用円皮鍼数は2,172本であった。 のべ参加人数に対する有害事象の発生頻度は20.99% (76件)、 有害事象によりプレーに支障をきたした頻度は5.80% (21件) であった。 のべ使用円皮鍼に対する計6部位の有害事象の発生頻度は9.16% (199件)、 有害事象によりプレーに支障をきたした頻度は2.58% (56件) であった。 有害事象では 「チクチクした」 が 3.89% (88件) と最も多く、 次いで 「途中で剥がれた」 が3.14% (71件)、 「気になった」 や 「違和感があった」 の順であり、 その他の有害事象はわずかな件数であった。 医学的処置が必要な有害事象の発生はなく、 有害事象により練習を中断する選手もいなかった。 【考察と結語】スポーツ選手に対する円皮鍼の有害事象では 「チクチクした」 などの軽微な有害事象が多かった。 しかし、 プレーに支障をきたす頻度は低くスポーツ選手に対する円皮鍼施術は安全性が高いことが示唆された。

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