全日本鍼灸学会雑誌
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最新号
全日本鍼灸学会雑誌
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巻頭言
教育講演
  • 冨田 健一
    2025 年 75 巻 1 号 p. 2-6
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    理学療法士から見た鍼灸の役割とは、 従来の個体に対する鍼灸治療に加え、 患者の日常生活における身体の負担を減らすため、 生活の環境や方法にまで目を配ることである。 特に鍼灸師は理学療法士とは異なり、 患者への治療に医師の指示は必要がない。 そのため医療機関を通さずに鍼灸治療に来た患者の、 身体及び生活上のトラブルを他職種より早く発見する可能性が高く、 その対処方法として医療や介護サービスへ患者を導くために、 個々の鍼灸師が他職種連携する技能を備える必要がある。 また、 本邦の地域包括ケアシステムにおいて、 鍼灸師が他職種と連携する手段は確立されておらず、 鍼灸師の他職種連携方法のシステム化に向けた取り組みも必要である。

  • 西村 直也
    2025 年 75 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    本講演では、 ディスポーザブル鍼灸針の普及背景や、 関連法規、 規格、 リスクマネジメントについて焦点をあてた。 ディスポーザブル鍼灸針は、 鍼灸治療の安全性向上に大きく貢献した。 しかし、 その一方で、 医療機器としての鍼灸針には、 法規制や規格といった側面が存在する。 講演では、 これらの法規制や規格の概要を説明した。 また、 リスクマネジメントの重要性についても言及し、 添付文書の確認や関連書籍の活用など、 具体的な対策を紹介した。 さらに、 鍼灸業界における安全性教育の重要性を強調した。 本講演を通して、 鍼灸師が医療機器としての鍼灸針に対する理解を深め、 安全で質の高い鍼灸治療を提供できるようになることを切望する。

  • 増田 卓也
    2025 年 75 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    鍼灸は日本での診療ガイドラインで推奨されつつあり、 副作用が少なく、 原因不明または明確かつ薬物では治療が難しい症状を緩和できる。 さらに、 一部の漢方薬の効果再現や漢方の 「証」 の重症度の軽減により漢方薬診療の治療限界を克服できる。 また鍼灸はナラティブの側面が強く、 検査異常がなくとも詳細な生活歴や診察 (舌、 脈、 顔色、 経穴など) が診断や治療に直結する。 近年、 関節リウマチ (RA) は生物学的製剤により、 80%が良好にコントロールされているが、 一部は症状が残存する。 鍼灸での睡眠状態や喫煙習慣などへのアプローチを介した症状緩和も手段となる。 今後、 鍼灸のさらなる医療への活用、 早期の慢性疼痛治療などへの研究が望まれる。

シンポジウム
  • 臨床・研究の狭間で
    川口 健太郎, 村越 祐介, 斉藤 海, 細井 聡, 玉井 伸典
    2025 年 75 巻 1 号 p. 21-34
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    本邦における若手の鍼灸師やアスレティックトレーナー (以下AT) たちが、 順風満帆に現場活動や臨床活動、 さらに研究を行っているとは言い難い面がある。 本シンポジウムでは、 現状や抱えている問題を報告してもらい、 改善策等を議論することを目的とした。 川口先生は、 大学アメリカンフットボール部でのトレーニング負荷管理にAcute : Chronic Workload Ratioを導入し、 選手の負荷がSweet spot内で推移するよう調整することで怪我予防の可能性が高まると述べた。 しかし、 選手からのデータ提供が不十分なため、 データ収集や継続的な管理の難しさも課題として挙げている。 村越先生は、 新潟医療福祉大学のスポーツ鍼灸サポート事業を紹介し、 学生アスリートのための鍼灸治療の体制づくりを行っている。 一方で、 指導者側での理解不足が普及の障壁となっていることを指摘した。 斉藤先生は、 ホッケー日本代表でのコンディションモニタリングの実例を通じて、 睡眠データや疲労度の自己申告情報の分析が選手の健康管理に有用であると述べ、 特にデータ収集だけでなく、 選手とのコミュニケーションを重視する姿勢が大切であると強調した。 細井先生は、 スポーツ現場での経験から、 エビデンスの不足や鍼灸師の待遇改善の必要性を訴え、 日本と海外における待遇の格差に触れながら、 スポーツ現場における鍼灸師の地位向上の重要性を示した。 また、 サッカー日本代表SAMURAI BLUEを中心とした多くのスポーツ現場での活動を紹介すると共に、 鍼灸師とATの需要の高さを示した。 玉井先生は、 唾液中バイオマーカーを用いた疲労評価の研究に取り組み、 既存の疲労評価法が限界を持つ中、 ウイルス核酸といった新しい指標の有効性を検証することの可能性を示唆した。 5名の報告を通して、 スポーツ現場でのトレーニング負荷管理や鍼灸ケアの重要性が強調され、 エビデンスの構築、 科学的な疲労評価法の導入、 そして地位や待遇改善を含む制度改革の必要性が示された。

  • 古典教育と電子教材、 授業展開と取り組み
    浦山 久嗣, 松下 美穂, 船水 隆広
    2025 年 75 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2022年に (公社) 東洋療法学校協会に電子教材検討会が発足し、 同時期に 「新版 東洋医学臨床論」 が発刊された。 COVID-19の流行を経て加速したInformation and Communication Technology (以下ICT) 教育の推進もあり、 電子教科書のみならず、 経絡経穴や徒手検査の動画教材の作成も行われている。 学校教育において教科書は、 過去の経験や蓄積してきたエビデンスを初学者たちに伝えるツールであり、 鍼灸師となるための道標であると考えられる。 そのため標準的な教育の検討が必要となるが、 経絡経穴の動画作成を試みる中、 体表指標の触れ方、 説明の仕方など教員間で違いがみられることも明らかとなった。   東洋医学は伝統医学として古典を根拠としているが、 古典と現代医学のEBMに齟齬するものは修正していく必要がある。 ICT教育やEBMが注目を浴びる一方、 学生の基礎学力の低下も問題になっている。 鍼灸治療のベースとなる東洋医学概論や経絡経穴概論は、 日常触れたことのない思想や難解な専門用語で成り立つため、 その理解と暗記が必要になってくる。 これを単なる暗記ととらえてしまうと苦手意識につながってしまう恐れも生じてしまう。  このような状況の中、 教育現場では次世代の教育の在り方を模索している。 そこで今回、 次代の鍼灸師へ東洋医学をどのように伝えていくのかをテーマに、 古典に立脚した正しい伝統医学教育の在り方について解説いただいた。 次に経絡経穴を中心としたICT教育の進捗現状や課題について解説いただいた。 最後に学生が苦手意識を感じず楽しく学びながら 「自ら考え実践できる東洋医学」 の授業方略について解説いただいた。  古典 (過去)、 電子教材 (未来)、 授業展開 (現在) の3つの視点から、 東洋医学教育の多様性に対応すべく、 教育内容を検討していく必要があるものと考えられた。

パネルディスカッション
  • 中村 元昭, 加島 雅之, 増田 卓也, 山口 智
    2025 年 75 巻 1 号 p. 43-53
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年5月26日、 第73回公益社団法人全日本鍼灸学会学術大会宮城大会においてパネルディスカッション2 「医師・鍼灸師連携について 今後の医療を見据えて」 が開催された。 3名のパネリストから、 日本の医療機関や医療現場における医師と鍼灸師の連携の試みとして、 精神科や総合内科、 緩和医療科の診療科領域において、 鍼灸の活用により、 患者の疾病や症状の改善や緩和に成果を上げ、 患者の在院日数の短縮に貢献していることや、 医療機関や医療現場における医師と鍼灸師が連携するための課題などが発表された。 また、 指定発言者から、 医師と鍼灸師の連携を確立するための全日本鍼灸学会における専門性の高い鍼灸師の育成などが発表された。 最後に、 今後、 鍼灸が利活用される医療を見据えて、 日本の医療機関や医療現場における医師と鍼灸師が連携するための課題や今後の展望について討論を行った。 日本における鍼灸の受療率の向上には、 医療機関や医療現場における医師と鍼灸師の連携が課題の一つとなっている。 本稿では、 本パネルディスカッションの内容をまとめて報告する。

  • 学会発表にあと一歩が踏み出せないあなたへ
    伊藤 千展, 松田 えりか, 大川 祐世, 脇 英彰, 松浦 悠人
    2025 年 75 巻 1 号 p. 54-66
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    症例報告は1例の経過を詳細に記述する研究であり、 臨床家にとって最も身近な研究様式である。 たとえ1例であっても、 臨床現場の最前線で得られた知見は将来の研究や臨床のヒントとなる可能性があり、 症例報告の質を高めることは鍼灸の科学的根拠を強めることにつながる。 そのため、 鍼灸師は日々の臨床で得られた経験をもとに症例報告を積極的に行っていくことが望ましい。 ただし、 症例報告を有意義なものにするためには、 正しく 「評価」 されている必要がある。 鍼灸臨床における評価は、 病態の評価と治療成果 (アウトカム) の評価に大別される。 病態の評価は、 問診や身体診察を通じて患者の現在の状態を把握するものであり、 アウトカムの評価は治療後の患者の変化を評価するものである。 ここでいう 「評価」 とは、 後者の患者の変化を観察するための 「アウトカム評価」 のことである。 本稿では、 泌尿器症状や慢性腰痛を切り口にして、 実際に日々の臨床の中でどのように患者のアウトカムを評価し、 どのように活かし、 どのように学会発表まで至らせるのか、 またその意義について述べた。 学会発表にあと一歩が踏み出せないあなたの未来を拓く一助としていただきたい。

臨床情報部安全性委員会ワークショップ
  • 菅原 正秋, 宮脇 太朗, 福世 泰史
    2025 年 75 巻 1 号 p. 67-74
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    (公社) 全日本鍼灸学会臨床情報部安全性委員会では、 第73回 (公社) 全日本鍼灸学会学術大会 (宮城大会) において、 「有害事象文献レビューと鍼灸安全対策マニュアルの紹介」 というテーマでワークショップを開催した。 ワークショップでは、 以下の情報について3名の委員から提供があり、 その後、 参加者との質疑応答および意見交換がなされた。 1. 有害事象文献レビュー -灸関連有害事象-  (宮脇太朗) 2. 有害事象文献レビュー -鍼関連有害事象-  (福世泰史) 3. 鍼灸安全対策マニュアルの紹介  (菅原正秋)  鍼灸安全対策マニュアルは、 2024年7月に発刊された。 学会員諸氏においては、 是非ご高覧いただき、 日々の臨床における安全対策の参考としていただければ幸いである。

報告
  • 形井 秀一, 林 朋恵, 小井土 善彦, 辻内 敬子, 星 慎一郎, 松本 毅, 渡邉 大祐
    2025 年 75 巻 1 号 p. 75-92
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    【はじめに】灸は、 古来より今日まで、 日本人の健康に寄与してきた。 しかし、 灸の近年の実情の実態報告は少ない。 そこで、 灸の実態を明らかにする目的で、 きゅう師を対象にアンケート調査を実施した。【方法】鍼灸分野の学術団体、 業界団体などを通じてきゅう師にアンケート協力の依頼をし、 Google Formsで回答してもらった。【結果】1,507名の有効回答があり、 「臨床歴20年以内」が67.8%で、 「開業」 が71.9%であった。 「学術団体所属」 は43.6%、 「業界団体等の所属」 は69.3%であった。 行っている灸法は、 「知熱灸」 が66.3%、 「透熱灸」 が53.4%などであった。 加工灸については、 68.6%が台座灸、 37.0%がスモークレス灸を使用していた。 灸の効果は、 「とてもある」 か 「どちらかといえばある」 と考える灸臨床家が計98.9%であった。 患者から 「灸を拒否された経験」 は、 患者が灸施術を受ける前が45.6%、 灸施術を受けた後が33.2%であり、 「熱さ」、 「火傷」、 「煙が不快」 などがその理由であった。 今後、 セルフケア灸普及のために必要な取り組みは、 1,495名中、 「臨床研究による有効性の実証」 (75.6%)、 「基礎的研究による科学的裏付け」 (68.3%)、 「啓蒙活動」 (63.9%) などの回答があった。【考察】施灸法は、 社会の意識の変化に応じて、 直接灸から間接灸へと、 実施の割合が変化してきている事が分かった。 灸臨床家の多くは、 灸には効果があると考えて施術を行っていた。 また、 熱さ、 火傷、 煙などが、 患者が治療を敬遠する要因であることが再確認された。 今後、 「安全性」 の保持と、 灸の臨床上の有効性や科学的裏付けの研究、 啓蒙活動などが、 灸の普及・発展のための課題であると考えられた。

解説
  • 大川 祐世, 石山 すみれ, 松浦 悠人, 山下 仁
    2025 年 75 巻 1 号 p. 93-102
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    症例報告は医学の進歩に欠くことのできない研究様式の一つである。 特に新しい疾患や稀な疾患に関する医学的情報の集積、 また治療的介入の有益性や安全性の評価においても重要な役割を果たす。 さらに、 症例報告は新たな研究仮説を生み出す契機になると同時に、 医療者にとって実践的な教育的ツールとしても高く評価されている。 しかし、 一部の症例報告には必要な情報が十分に記載されておらず、 その不完全さや透明性の欠如が、 読者に誤解を与える可能性がある。 こうした課題に対応するため、 2013年に症例報告のための報告ガイドラインであるCARE (CAse REport) ガイドラインが作成され、 症例報告の完全性と透明性を向上させるための基準が示された。 CAREガイドラインは、 各分野の症例報告において重要な報告事項を網羅しており、 これに基づいて報告することで情報の完全性を確保し、 透明性の高い発信が可能になる。 しかし、 未だ国内でのCAREガイドラインの認知度や普及状況は十分でないように思われる。 そこで、 本稿ではCAREの各項目を紹介し、 特に鍼灸分野における適用について解説を加えた。 今後、 鍼灸に関連する症例報告においてもCAREガイドラインが広く活用され、 報告の質が向上し、 より信頼性の高い情報提供がなされることを期待する。

国際学術交流
  • 松浦 悠人
    2025 年 75 巻 1 号 p. 103-107
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年9月27日 (金) ~29日 (日) にかけて、 韓国・済州島にて37th International Council of Medical Acupuncture and Related Techniques (ICMART) World Congress on Medical Acupuncture が開催された。 鍼灸を中心とした伝統医療に関する基礎的・臨床的な幅広い分野の最先端の研究が発表され、 活発な議論が行われていた。 また、 日韓学術交流も行われ、 大韓鍼灸医学会と全日本鍼灸学会のジョイントセッションでは 「顔面神経麻痺」 をテーマとしたシンポジウムが企画された。 世界各国のバラエティに富んだ研究発表は非常に刺激的で、 特に印象的であったのは、 「Nature」 に掲載された足三里への鍼通電と抗炎症に関する論文の続報、 不安障害患者への鍼通電刺激による前帯状皮質の神経代謝産物の変化を評価した脳画像研究であった。 本稿では、 筆者の印象に残った発表やその他トピックスも交えながら37th ICMART World Congress on Medical Acupunctureへの参加を報告する。

  • 山下 貴司
    2025 年 75 巻 1 号 p. 108-112
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年9月27日から29日まで、 韓国済州市で開催されたICMART2024 World Congress on Medical Acupunctureにて、 Electroacupunctureに関する口頭発表を行なった。 ICMARTは、 主にヨーロッパ諸国やアメリカ大陸の国々によって構成されており、 今回初の韓国開催を迎えた。 "Future of Integrative Healthcare (統合医療の未来)" を学会テーマに掲げ、 鍼灸を現代医学的手法で、 融合および統合を図るための研究が歓迎されていた。 鍼の治療効果を報告する研究が多く合った一方で、 生理学的なアプローチによる研究は少なく、 鍼灸研究における研究方法論の多様化と、 生理学的指標を用いた客観的評価手法の更なる導入の必要性を示唆するものであると感じた。 また日本が今後、 国際舞台で確固たる評価を得るためには、 目先の成果だけでなく、 着実に研究者を育てる仕組みが必要であり、 そのためには鍼灸師が研究に携わる際の役割の設定や、 参入障壁を小さくすること方法を考える必要がある。 日本の鍼灸界が学ぶべき好例がいくつもあり、 将来的の発展につながることを期待したい。

  • 林 健太朗, 堀部 豪, 皆川 陽一, 深澤 洋滋, 若山 育郎, 増山 祥子
    2025 年 75 巻 1 号 p. 113-123
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年9月27日から29日まで第37回ICMART World Congress on Medical Acupuncture (ICMART2024) が韓国済州島で開催された。 大会テーマは 「Future of Integrative Healthcare, Convergence of Acupuncture, Medical Science and Technology (統合医療の未来、 鍼灸と医学と技術の融合)」 で、 主管は既に2019年に正式にICMARTに加盟した韓国医学会 (The Society of Korean Medicine; SKOM) だった。 2024年9月28日に開催されたICMART総会で本学会の正式な加盟が承認された。  本稿では、 ICMART加盟に向けた経緯、 ICMART総会の様子、 ICMART2024大会の概要、 さらに顔面神経麻痺をテーマとした本学会と大韓鍼灸医学会 (Korean Acupuncture & Moxibustion Medicine Society:KAMMS) とのジョイントセッションについて報告する。

  • 皆川 陽一, 深澤 洋滋
    2025 年 75 巻 1 号 p. 124-131
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年10月11日から13日にイギリス・ロンドンで世界鍼灸学会連合会 (WFAS) 年次大会が開催された。 本大会は 「鍼の研究と臨床応用」 をテーマに掲げ、 世界各国の専門家が集い、 鍼灸治療の基礎および臨床研究の進展について議論がなされた。 また、 WFAS執行理事会では、 2024年度の活動報告および2025年度の重点計画が発表され、 新たな提案が審議された。 さらに、 学術大会では基調講演やポスター発表を通じて、 鍼灸がさまざまな疾患への適応の可能性を示す研究成果が共有された。 本報告では、 第10期執行理事会第2セッションの詳細と学術大会の概要について紹介する。

  • 若山 育郎, 山下 仁, 飯村 佳織
    2025 年 75 巻 1 号 p. 132-138
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年9月27日~29日の韓国済州島での第37回ICMART世界大会における日韓シンポジウムに続いて、 11月17日、 大邱広域市において、 日韓だけではなく、 台湾の中華針灸醫學會も交えた3か国による国際シンポジウムと大韓鍼灸医学会を含めた大韓韓医学会の下部組織の3学会による韓国国内シンポジウムが開催された。  韓国は近年こうした国際シンポジウムの招致に積極的に取り組んでいるが、 世界の鍼灸界における国際交流が以前にも増して進んできている。 我が国の伝統医学アカデミアも人材育成等を含め積極的に対応していく必要がある。

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