全日本鍼灸学会雑誌
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最新号
全日本鍼灸学会雑誌
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巻頭言
原著
  • 加藤 真二, 東野 友寛, 中村 真通
    原稿種別: 原著
    2020 年 70 巻 2 号 p. 102-111
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー
    【目的】月経痛・月経随伴症状の成因の一つとして心理的要因が背景にあると考えられている。 本研究では月経痛・月経随伴症状と性格について関連性を検討した。 【方法】インフォームドコンセントを得た月経のある女性を対象とした。 年齢・身長・体重、 月経痛の程度、 月経随伴症状、 性格について質問紙調査を実施し、 月経痛・月経随伴症状と性格との関連についてスピアマンの相関分析を行った。 【結果】250名に質問紙を配布し166名から回答を得た。 「神経質」 は月経痛や月経随伴症状の複数因子、 「抑うつ性」 は月経随伴症状の複数因子との間に相関が見られた。 この他 「攻撃性」・「劣等感」・「非協調性」 は月経随伴症状の負の感情因子との間に相関が見られた。 【考察】「神経質」・「抑うつ性」 では、 月経時に血行障害やセロトニン不足の影響を強く受けて症状が強くなるのではないかと考えた。 また 「攻撃性」・「非協調性」・「劣等感」 における抑うつ的な側面が月経随伴症状の負の感情因子に影響を与えている可能性が考えられた。 【結語】「神経質」 は月経痛や月経随伴症状の複数因子、 「抑うつ性」 は月経随伴症状の複数因子との間に相関が見られた。
  • 安藤 匡哉, 松本 毅, 渡辺 均
    原稿種別: 原著
    2020 年 70 巻 2 号 p. 112-119
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー
    【目的】日本の灸治療に用いられるモグサの国内生産量の低下に伴い、 モグサ製造用ヨモギの安定供給に向けて、 ヨモギの栽培効率やモグサの生産性を向上させる必要があると考えられる。 そこで、 国内生産に有用なヨモギ系統を明らかにするため、 全国各地より収集した国内自生系統の形態評価、 および生葉から製造したモグサの品質を比較することにより、 効率的栽培への適性に関わる形態と葉乾燥重、 およびモグサ収得率を指標として各系統を評価した。 【対象と方法】国内127地点より採取したヨモギArtemisia princepsおよびオオヨモギ Artemisia montanaの栽培個体を対象に、 1.モグサ製造評価としてモグサ収得率、 2.モグサ品質評価としてクロロフィル含有量および燃焼時の最高温度、 3.ヨモギ形態評価として草姿に関わる形質、 葉乾燥重、 葉の背軸面の明度を調査した。 各系統の形態および性質について比較するため、 統計処理として主成分分析に供した。 【結果】品質評価の結果、 多様なクロロフィル含有量および燃焼時の最高温度が示され、 国内系統においても幅広いモグサ品質を示すことが確認された。 形態評価における主成分分析の結果、 22系統が葉面積が大きく収穫が容易で効率的栽培に適した系統であることに加え、 毛茸の量が多くモグサ収得率に優れ、 全系統の葉乾燥重の基準値を上回る系統として抽出された。 これらの系統には、 従来の採取地域以外に、 これまで利用されていなかった地域の系統が含まれることが確認された。 今後、 これらの系統を利用することで、 各地域におけるモグサ用ヨモギの国内生産量の向上に繋がると考えられた。 【結論】ヨモギの国内自生系統における形態、 葉乾燥重、 およびモグサ製造後の品質評価により、 効率的栽培に適しており、 葉乾燥重およびモグサ収得率に優れた灸利用に適する国内自生系統が抽出された。 そのうち、 従来用いられてきた採取地域における系統以外に、 新たな灸利用への可能性が期待できる系統が確認された。
  • ~プラセボ円皮鍼を用いた二重盲検法による試み~
    立川 諒, 藤本 英樹, 木村 友昭
    原稿種別: 原著
    2020 年 70 巻 2 号 p. 120-131
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー
    【目的】運動負荷により生じる情報処理時間の遷延化や注意資源配分量の低下に対する鍼刺激の影響について、 プラセボ効果の影響を除いた検討を行う事を目的とした。 【研究デザイン】クロスオーバーデザインの二重盲検法による無作為化比較試験 【セッティング】東京有明医療大学 【対象】健康成人男性15名 (21.1±0.9歳) 【方法】運動負荷には把持運動を採用し、 最大握力の40%強度での把持と休息を繰り返し、 2回連続で40%の筋力発揮が不可能になるまで行った。 P300の誘発には聴覚Oddball課題を用い、 運動負荷前後で記録を行った。 同一の被験者に対し、 本物の円皮鍼(円皮鍼群)とプラセボ円皮鍼(プラセボ群)による介入を、 実施順序をランダム化して行った。 介入部位は、 大椎と両側の神門、 足三里とした。 実験後、 介入のマスキングについて被験者と施術者にアンケートを行った。 なお、 割り付けは実験に参加しない者が行い、 被験者、 施術者及び測定者はその結果を知ることなく一連の実験を行った。 【アウトカム】事象関連電位のP300成分の潜時、 振幅を主要評価項目、 反応時間、 介入のマスキングを副次的な評価項目とした。 【結果】プラセボ群のP300潜時は、 運動負荷後に有意に延長、 P300振幅は運動負荷後に有意な減少が認められた。 一方、 円皮鍼群のP300潜時及び振幅は、 運動負荷前後の有意な変化は認められなかった。 反応時間は、 両群で運動負荷後に有意な延長が認められた。 κ係数は、 術者がκ=-0.06、 被験者がκ=0.66であった。 本研究において円皮鍼介入による有害事象は認められなかった。 【考察・結語】本研究の円皮鍼群及びプラセボ群の各指標変化は先行研究と同様であり、 その再現性が示された。 しかし、 κ係数の値から、 被験者マスキングが不十分であったことが示され、 今後、 プラセボ円皮鍼の信頼性や妥当性について多面的に検討する必要性が示された。
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