全日本鍼灸学会雑誌
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疼痛性疾患に対するレーザー鍼の鎮痛効果について
豊田 住江河内 明松尾 征男木村 鉄也新田 優佐子 幸男品川 知子田中 征江森川 和宥橋本 佐和子北出 利勝中村 辰三中村 満安藤 文紀左海 隆生木谷 咲子井上 豊彦兵頭 正義
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1986 年 36 巻 1 号 p. 42-47

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抄録

鍼の効果について統計的に検討し, 鍼との効果比較についても若干の検討を試みた。
各種の疼痛性疾患 (慢性・急性) を対象とした。治療器械は, 低出力10mWレーザーと70mWシャープレーザーの2種を用い, 1箇所の照射時間は40秒とした。治療部位は, 局所とその疼痛部位を支配する神経部位, 遠隔部位など20~30箇所とした。
オープンスタディとして治療直後において10mWレーザー鍼は, やや有効を合わせると64%に有効で, 70mWレーザー鍼は73%に有効であった。またブラインドテストでは, 当日において10mWレーザー鍼80%, ブラセボ67%に有効であり, 70mWレーザー鍼は87%, ブラセボ80%であり, やはりブラセボの方が効果が劣っていた。置鍼は97%有効で無効は7%であった。
オープンスタディの当日の治療効果においてのみ70mWレーザー鍼の方が10mWレーザー鍼より有効であった。
ブラインドテストにおいて, ブラセボよりも10mWおよび70mWレーザー鍼はより有効であり, さらに置鍼の場合, それより有効であるという傾向が見られたが, 統計的にはこの三者の間に有意の差はなかった。

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