全日本鍼灸学会雑誌
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慢性肝障害に対する鍼治療の検討 (その3)
黒野 保三
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1986 年 36 巻 3 号 p. 178-182

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抄録

鍼治療は, 東洋医学の中で内経系医学の基本的療法として伝承されてきたものである。しかし, 治療効果や作用機序については, 自然科学的に説明されない部分が多い。
著者は, 過去40年にわたる鍼治療の経験から, 慢性肝機能障害疾患に対し, 鍼治療が何らかの影響を与えていると思われる現象を見い出し, その客観的効果について検討を加えてきた。その結果を日本鍼灸医学会および (社) 全日本鍼灸学会において報告してきた。また, (社) 全日本鍼灸学会研究部に慢性肝機能障害班を設置し, 統一カルテの作製, 慢性肝機能障害疾患に対するチャートを作製した。 そして, 研究班員諸氏の協力により84症例にのぼる症例の収集をし, (社) 全日本鍼灸学会で報告した。
ここでは, 一例ではあるが慢性肝炎に対する血液生化学的所見と自他覚的所見との相似性について報告する。

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