抄録
間歇的連続施灸刺激の血小板凝集および血液凝固線溶能に及ぼす影響を検索した。実験にはddY系雄性5週齢マウスを用い, 総重量15mg/body の艾を左右期門穴相当部位に5, 10, 15回間歇的連続施灸した。血小板凝集能は全血凝集測定装置を用い, collagen およびADP添加によりATP放出能と同時に測定したが, 本実験条件の連続施灸では明らかな影響はみられず血小板数も変化がなかった。血液凝固線溶能に関しては, 15回でFib量の増加と第XIII因子の低下傾向, 10回でPLGとα2PIの上昇が各々同時に認められた。本施灸条件では凝固促進, 線溶亢進とが相互に出現したが, このことは施灸刺激に対し生体が恒常性維持のため合目的的に反応したと推察される。