1988 年 38 巻 4 号 p. 358-367
われわれが, 日常治療点について論述するとき, 経穴については依拠する文献名を示さず, 経穴名のみ挙げるのが普通である。しかし, 古典8経, その他3書を経穴毎に部位を比較検討すると, 文献毎にそれぞれの骨度寸法, 取穴の基準点に差があって, 部位に相当な違いが認められた。とくに胃経, 脾経, 膀胱経などに差異が大きく、中には取穴が困難な場合が生じた。これは文献によって, 骨度寸法の違い, 基準経穴の違い, 古典の解釈や取穴表示の違い, 写経間違い, 脊椎番号, 文字が誤っているものなどがあるためである。将来, 統一されるべきものと考えられる。