1989 年 39 巻 2 号 p. 235-240
経穴部位の国際的基準化を行うには, まず基準尺度を決定しなければならない。原典には身長を75寸とし, 各部位の前面と側面の長さが示されている。大腿部ではこれが内側と外側に分けられている。内側の基準尺度は恥骨結合上縁から大腿骨内側上顆上縁まで, 18寸と定められているが, 取穴の便宜性から膝関節裂隙までの尺度を求めた。上記2点間を実測し骨度に換算すると20寸に相当した。大腿外側の基準尺度は股関節から膝関節裂隙まで19寸と示されているが, 股関節は体表から触知できないため, 体表から触知できる上前腸骨棘下縁を対象にX線写真で定め, その間の変換値を求めると, 上前腸骨棘下縁から膝関節裂隙までは20寸に相当した。