抄録
手技運鍼による鍼鎮痛末梢機序を検討するためにラット脊髄侵害受容ニューロン誘発発火を指標とし, 1) 皮膚への侵害的ピンチ刺激と鍼刺激の比較, 2) 経穴部の皮膚・皮膚と筋肉・筋肉への選択的鍼刺激, 3) 経穴部への高張食塩水筋注と鍼刺激との比較をそれぞれおこなった。皮膚のピンチ刺激についてはその抑制時間・抑制強度において鍼刺激と同様の結果を得た。また鍼刺激部位が皮膚よりも筋肉にまで及ぶと鍼鎮痛効果を発現した。また高張食塩水筋注でも類似の効果が観察された。以上の結果から雀啄・捻鍼により惹起される鎮痛効果は, 深部のポリモーダル受容器が深く関与した内因性痛覚抑制系の賦活によることが示唆された。