2000 年 50 巻 1 号 p. 111-114
我々は鍼の臨床試験に用いるために「パク式偽鍼 (Park Sham Needle) 」を開発した。この偽鍼は鍼先が尖ってなく, 切皮・刺入の動作の際に鍼体が鍼柄の中にはまり込むようになっている。このため実際には鍼先が皮膚を貫通していないのに, 鍼が体内に挿入されているように見える。両面テープで皮膚に接着させた土台に固定された太い管 (Park Tube) の中に, 鍼管とともに偽鍼をセットして用いる。
この偽鍼の信頼性テストにおいて, 56名の被験者のうち46名 (82%) が実際に鍼が刺入されていると感じた。このことからパク式偽鍼は, 被験者ブラインドのランダム化比較試験に適用可能であると考えられた。