抄録
目的二鍼治療の経済評価に関する文献を調査することを目的とした。
方法 : Medlineを用いて「acupuncture (鍼治療) 」と「cost (費用) 」、「economic (経済) 」、「RCT;randomized controlledtrial (ランダム化比較試験) 」、「cost effectiveness (費用効果) 」、「cost benefit (費用便益) 」のキーワードで検索を行った。検出された文献のなかから経済評価がなされた文献だけを抽出した。結果 : 鍼治療の経済評価に関する文献が全部で15編、検出された。これらの文献では狭心症や手根管症候群 (CTS) 、脳卒中後遺症、変形性膝関節症、腰痛、筋骨格系疾患、片頭痛、鍼麻酔について検討されていた。一方、日本では1編の文献しか検出出来なかった。
まとめ : これらの文献の多くは対照群の設定されていないretrospectiveな研究デザインが多く、また、費用比較も仮定によるものもあり評価があいまいであった。今後、prospectiveな比較対照試験を用いた厳密な研究が必要であると思われた。