2006 年 56 巻 4 号 p. 596-604
17世紀に管鍼法を考案した先覚者杉山和一以来、鍼灸と視覚障害者とは密接な関係がある。鍼灸を研究し、貢献した視覚障害者5氏について調べた。奥村三策は19世紀文部省が禁止した鍼灸教育を復活させた。20世紀、平方龍男はリンパ鍼療法を開発し、木下和三郎は灸の研究、影山儀之助は鍼灸師初、鍼の研究をそれぞれ行なった!芹澤勝助は太平洋戦争後鍼灸存亡の危機を勝利に導き、世界初コンピューターによる東洋医学自動診断機を開発するなど多数の研究を行ない、鍼灸大学創立の道を開いた。視覚障害者は何度も鍼灸存亡の危機を乗り越え、鍼灸の科学化と取り組み、時代のニーズに応える専門書を執筆するなど、鍼灸医学を確立発展させて不滅の功績を残した。