2005 年 25 巻 3 号 p. 258-263
トラキライト™ を用いての気管挿管は確実性, 迅速性, 安全性, 経済性, 簡便性のいずれにおいても, 従来の喉頭鏡を用いての喉頭展開手技と比較して色がなく, トレーニングの機会を得やすい. このライトガイドによる気管挿管手技は頸部の透過光を指標とするもので, 咽頭や喉頭に病変があるケースでは使えないが, 一方で咽頭に視野確保のためのスペースを必要とせず, 中間位で挿管可能であり, 解剖学的な影響を受けにくいという大きな利点がある. トラキライト™ の習熟には喉頭展開と同程度のトレーニングを必要とするが, ひとたび習熟すれば日常臨床できわめて有用な手技となり, 気道確保に新たなストラテジーの展開が期待できる.