日本臨床麻酔学会誌
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—日本臨床麻酔学会第24回大会 パネルディスカッション—
術前麻酔科管理の問題点を徹底検証するPBL (Problem based learning)
術前評価における術前検査の役割
稲田 英一
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キーワード: 術前検査, 感度, 特異度
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2005 年 25 巻 7 号 p. 582-587

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抄録
  術前評価において術前検査のおもな役割は, 病歴や身体所見から示唆される病的状態の程度を評価し, 周術期の管理計画を立てる手がかりとなることである. 術前検査は, 患者のもつ疾患, 予定術式, 検査の特性などから決定される. それぞれ感度や特異度が100%という検査はなく, 偽陽性や偽陰性が起こりうる. さらに, 検査を行う患者群の有病率によっても, 感度や特異度は異なる. 心電図, 胸部X線検査, ヘモグロビン濃度測定などの術前検査はスクリーニング検査としての意義は低く, 病歴や身体所見から示唆されるものについて行うべきである.
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© 2005 日本臨床麻酔学会
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