日本臨床麻酔学会誌
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講座
混合静脈血酸素飽和度と血中乳酸値測定の意義
宮尾 秀樹小山 薫小高 光晴
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2005 年 25 巻 7 号 p. 645-651

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抄録

  心機能の評価法であるフォレスター分類は圧と流量を二次元で表し, 単なる物理量の目安で, 酸素需給バランスの考えは入っていない. したがって, 酸素消費量が極端に変化する病態 (麻酔中, 低体温時は低い酸素消費/重症感染症, 高体温時は高い酸素消費) では, 病態の評価が困難になる. 一方, 適正な酸素需給バランスの維持の指標として, Svo2 は動脈血酸素飽和度, 酸素消費量, Hb値, 心拍出量で決定される数値であり需要と供給の両面を反映する. しかしSvo2 では評価できない体循環のシャント増加, 酸素摂取率の低下の評価に乳酸値は重要である. この両者は麻酔中や重症患者管理に有用な指標である. 本稿ではSvo2 と乳酸値の意義と有用性について概説する.

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© 2005 日本臨床麻酔学会
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