日本臨床麻酔学会誌
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悪性高熱症とセントラルコア病
市原 靖子Carlos A. Ibarra Moreno菊地 博達
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2006 年 26 巻 2 号 p. 215-224

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抄録
  悪性高熱症は誘発薬などによって骨格筋の異常な代謝亢進が引き起こされる致死的な疾患である. 常染色体優性遺伝をとり, 多くはリアノジン受容体 (RYR1) の遺伝子変異のために起こるといわれている. 一方, セントラルコア病は先天性非進行性ミオパチーの一種である. 臨床症状として重症例は少ないが, 側弯症や四肢の関節拘縮などを有することが多い. セントラルコア病患者の悪性高熱症合併例は以前より報告されていた. またセントラルコア病の遺伝子変異がRYR1領域であることから, セントラルコア病と悪性高熱症は非常に関連深い疾患である. しかし悪性高熱症だからといってセントラルコア病を必ず伴っているわけでもなく, 逆にセントラルコア病だからといって, 確率は低いと思われるが必ずしも悪性高熱症であるわけでもない.
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© 2006 日本臨床麻酔学会
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