日本臨床麻酔学会誌
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—日本臨床麻酔学会第25回大会 パネルディスカッション—
緩和医療とその治療:麻酔科医はどうかかわるか
硬膜外持続注入用アクセスの使用経験を中心に
岡本 慎司森本 昌宏森本 充男前川 紀雅森本 悦司古賀 義久
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2006 年 26 巻 5 号 p. 570-575

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抄録

  進行がんに対する治療法の進歩による患者の延命に伴い, 痛みを訴える患者が増加していると推察される. このような患者は痛みのコントロールが困難であるとして当科に紹介されることが多く, これらの痛みに対しては神経ブロック療法の併用を積極的に行っている. 特に骨転移による痛みは医療用麻薬のみでコントロールすることは不可能であり, 持続硬膜外ブロックを選択することが多い. さらに, 当科では在宅での管理を積極的に行っており, 硬膜外持続注入用アクセスを用い, 21名で良好な除痛効果を確認している. がん性疼痛患者に対しては, 医療用麻薬一辺倒ではなく適切な時期に適切な神経ブロック療法を行うべきであり, 在宅での管理にあたっては, 硬膜外持続注入用アクセス植え込みを積極的に施行すべきと思われる.

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© 2006 日本臨床麻酔学会
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