日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
講座
がん緩和ケア領域における医学的リハビリテーションの臨床課題と対応策—がん患者に対する物理医学, 作業療法の再検討—
安部 能成
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 7 号 p. 907-916

詳細
抄録

  がん緩和ケアにおける症状コントロールとして疼痛緩和は重要な位置を占める. 同時に, がん患者が生活を再建するための医学的リハビリテーションおいても, 疼痛緩和は前提条件となる. すなわち, 疼痛緩和を支える臨床麻酔学と生活再建学としての医学的リハビリテーションは協業する必要性がある. 端的にいえば, 安静時痛の緩和には麻酔学の貢献が大きく, 体動時痛の緩和には医学的リハビリテーションの知識と技術を活用すべきである. しかし, このような試みは, がん緩和医療においてようやく開始された段階にあり, 今後の研究に待つ部分が大きい.

著者関連情報
© 2008 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top