2008 年 28 巻 7 号 p. 907-916
がん緩和ケアにおける症状コントロールとして疼痛緩和は重要な位置を占める. 同時に, がん患者が生活を再建するための医学的リハビリテーションおいても, 疼痛緩和は前提条件となる. すなわち, 疼痛緩和を支える臨床麻酔学と生活再建学としての医学的リハビリテーションは協業する必要性がある. 端的にいえば, 安静時痛の緩和には麻酔学の貢献が大きく, 体動時痛の緩和には医学的リハビリテーションの知識と技術を活用すべきである. しかし, このような試みは, がん緩和医療においてようやく開始された段階にあり, 今後の研究に待つ部分が大きい.