日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
小児気管異物「赤飯 (ささげ豆)」に対する気管支ファイバーを用いた除去術の麻酔経験
桑原 淳椎名 恭子伊勢崎 尋美石川 むつ子森岡 宣伊尾崎 眞
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2009 年 29 巻 1 号 p. 65-68

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抄録

  症例は1歳, 男児. 赤飯を食べさせた際咳き込み, その後喘鳴出現. 胸部X線写真, CTにて気管支異物と診断され異物除去術施行となった. チオペンタール, セボフルランにて導入. 術中は筋弛緩薬を投与し, 調節呼吸下に管理した. 3.1mm気管支ファイバーを用いた吸引操作にて異物除去に成功した. 摘出異物は硬く, 関東の赤飯に入れられることの多い「ささげ豆」であった. 術後肺炎症状, 炎症所見を認めず3病日で退院した. 一般的に気管異物除去時には, 自発呼吸を残したまま管理することが推奨されている. しかし気管支鏡操作時のバッキング等が出現してしまう危険性があり, われわれは筋弛緩薬を用い, 調節呼吸下に管理し良好な結果を得た.

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© 2009 日本臨床麻酔学会
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