2009 年 29 巻 2 号 p. 110-119
がんの疼痛緩和において, WHO推奨の薬物療法に加えて, 神経ブロック治療の併用は, 疼痛緩和やQOL向上に有用であるという報告が散見される. そこで, がん疼痛に対する神経ブロック治療の有用性などについて, 緩和医療領域でオピニオンリーダーに相当すると考えられる医師にアンケート調査を施行し現状と今後の問題点を検討した. その結果, 薬物療法を行ったうえで神経ブロックを考慮するとの回答が30%であり, くも膜下または硬膜外持続注入法を高く評価しており, 麻酔科医に期待が寄せられていた. 今後, 神経ブロック治療の適応などについて, 麻酔科医が積極的に他科の医師を啓蒙していく必要性がうかがえた.