抄録
小児麻酔における偶発症は新生児・乳児で多く, 麻酔管理が原因となるもののうちでは高度低酸素血症が多いことが特徴である. 小児の術前評価は, 小児特有のリスクを把握し, 偶発症を予防するための最初のステップとしてリスクマネジメント上重要である. 小児の術前評価には小児麻酔や小児についての知識および経験が必要であるが, 麻酔科医, 外科医, 小児科医や看護師などスタッフ間の良好な連携や, 親やこどもとの十分なコミュニケーションとそれを可能にする診察スペースなども重要な役割を果たす. さらに得られた情報を共有し, 発生しうるリスクについて準備, 対応することが事故を予防することにつながると考えられる.