抄録
硬膜外カテーテルが体内に残存することは非常にまれな合併症である. 遺残したカテーテルが神経学的障害を引き起こすという可能性は低く, 摘出術は原則的には必要ないとされる. しかしその対応は, 神経学的症状の有無, 患者の年齢, 遺残しているカテーテルの部位や長さなどによって異なる. 長期間の後に症状をきたした場合もあるので, 定期的なCTを含む経過観察が必要である. 遺残の原因として, 挿入時の針による損傷, 慢性的な体内での圧迫や伸び, 神経根への絡みや結節形成などによる抜去困難の結果などがあげられる. 特にカテーテル挿入時や抜去時には注意が必要である. 残存を生じないような安全な手技の習得に努めるべきである.