日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第28回大会 パネルディスカッション—IV PCA・持続注入法による術後鎮痛—
フェンタニルを用いたIV PCA
長田 理
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2010 年 30 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
  自己調節静脈内鎮痛法 (IV PCA) に適した薬物の条件として, 便秘, 嘔気・嘔吐, 眩暈などの頻度が少なく, 投与直後から速やかに効果が発現した後に緩やかに作用が減弱することが要求される. フェンタニルはμ受容体選択性が高いため副作用が少なく, また脂溶性が高いため中枢作用が速やかに出現する. また, 希望する鎮痛レベルを得るための濃度 (1~2ng/ml) を想定した投与プロトコルを薬物動態シミュレーションにより検討することが可能である. ディスポーザブルタイプのIV PCAポンプを利用すると, 持続注入20μg/hrと追加投与20μg/push (充塡時間10分) というプロトコルで安全な管理が可能である.
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© 2010 日本臨床麻酔学会
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