2010 年 30 巻 3 号 p. 471-475
麻酔導入直後に開口度が低下し挿管困難となった症例を報告する.患者は64歳,男性.下顎隆起が大きかったため,Mallampatiのclass分類IIIであったが,意識下で十分な開口量を確認したので急速導入を行った.導入直後に急激に開口度が低下し挿管困難となった.数回の強制開口によりエアウェイスコープが挿入可能となり,経口挿管に成功した.術後には開口度の低下はなく,顎関節に疼痛などもなかった.この原因として,関節円板の復位を伴わない異常によるクローズドロックの可能性があると考えられた.