日本臨床麻酔学会誌
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術後管理におけるPCAの上手な使い方(第1回)
術後鎮痛治療法の変遷─特にPCAの必要性について─
上村 裕一
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キーワード: PCA, 術後痛, 複合的鎮痛法
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2010 年 30 巻 4 号 p. 649-654

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抄録

  麻酔科学の進歩は周術期の患者の安全性を向上させたが,同時に術後鎮痛治療法の進歩で患者のQOLを改善した.術後鎮痛治療法の進歩には,機器や薬物の開発が大きく貢献したが,周術期の抗凝固療法の普及も大きく影響している.術後鎮痛治療法は全身投与法と区域鎮痛法に分けられ,それぞれにいろいろな薬物と投与法が使用されているが,最近それらを統合的に使用して質の高い鎮痛を行う複合的鎮痛法も広まりつつある.これらの術後鎮痛治療法の進歩の中で最も影響が大きいものが,Patient-controlled analgesia(PCA)であり,今後さらに発展が予想される.

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© 2010 日本臨床麻酔学会
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