2010 年 30 巻 7 号 p. 974-979
本稿では四肢整形外科手術に対する超音波ガイド下末梢神経ブロックの現状と将来について述べる.神経ブロック使用の利点として,術後鎮痛と低心機能患者など高リスク症例での使用があげられる.肩関節手術など従来鎮痛が困難であった症例の術後鎮痛が可能となった.また低心機能患者の大腿骨頚部骨折手術を神経ブロック単独で行うことも可能である.神経ブロックと軽度の鎮静によるmonitored anesthesia careによる麻酔管理が可能となった.超音波ガイド下末梢神経ブロックの技術はより安全で快適な整形外科手術の麻酔管理に必須であり,今後の一層の普及が望まれる.