日本臨床麻酔学会誌
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講座
研修医から指導医まで役立つTIVAの実際
森本 康裕原田 郁
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2012 年 32 巻 1 号 p. 052-058

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抄録
  近年の末梢神経ブロックの普及やレミフェンタニルの発売によりTIVAは以前より安全施行できるようになった.しかし,TIVAの実践には多くの注意点がある.TIVAを実践する上でまず理解しておかなければならないのは,吸入麻酔薬と比べて個人差が大きい点である.TCIによるプロポフォール投与とBISモニターを使用して,麻酔導入から手術開始までの間に個々の患者について適切な目標血中濃度を決定する.注意点として,麻酔導入期の3コンパートメントモデルの問題点と,レミフェンタニルのBISへの影響がある.TIVAの実践には薬物動態や脳波の解釈など多くの点を理解して,個々の患者に最適の麻酔を組み立てていく必要がある.この経験はTIVAだけでなくセボフルラン使用時にも有用である.「麻酔科医を育てる麻酔法」として,TIVAは広く実践されるべきである.
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© 2012 日本臨床麻酔学会
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