日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
紹介
救急病院における廃棄血削減の試み
福島 臣啓渡邉 陽子岩崎 衣津石井 瑞恵小野 大輔時岡 宏明
著者情報
キーワード: 輸血, 廃棄血, 廃棄削減
ジャーナル フリー

2012 年 32 巻 1 号 p. 073-077

詳細
抄録
  輸血療法は,現代医療において欠くことができない治療法であるが,献血者数は年々減少し,輸血製剤の慎重な使用が望まれる.一方,救急病院では突発的な出血に対応するため血液の院内確保が行われていることが多く,廃棄血の増加をきたしやすい.当院でも,一時は赤血球濃厚液の廃棄が20%を超えるに至ったため,その削減に取り組んだ.交差適合試験の有効期間の設定,手術・輸血予定翌日の血液の患者割り付けの自動解除,新任医師への講義,廃棄血の比較的多い診療科・医師への個別依頼,マニュアル整備による医師の不安軽減などにより,廃棄血は徐々に減少し,約5%前後まで減少させることができたので報告する.
著者関連情報
© 2012 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top