日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第30回大会 シンポジウム ─麻酔科医不足に対する日本麻酔科学会の対応─
並列麻酔の是非
古家 仁
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2012 年 32 巻 2 号 p. 160-167

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抄録

  欧米諸国では,麻酔薬を投与する症例はすべて麻酔科医が管理することが基本である.しかしわが国では全身麻酔に関してさえも麻酔科医以外の医療従事者が管理している場合が見受けられる.国民にとってそのような麻酔科医療は避けるべきであり,この問題は早急に解決されねばならない.また,わが国では麻酔科医は単独で術中薬剤の調整,投与を行っており,医療安全上避けるべきである.この解決策として欧米において一般的であるanesthesia care team,わが国では周術期管理チームを普及させ,そのチームメンバーを教育,認定し,麻酔科専門医の責任下でチームメンバーを使って,術前術後の麻酔科医療への関与,術中の麻酔の並列管理,薬剤投与のダブルチェックを可能にすることが必要であると考える.

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© 2012 日本臨床麻酔学会
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