2012 年 32 巻 4 号 p. 519-527
周術期管理の中でも術後鎮痛は重要な位置を占めている.患者自己調節鎮痛法(patient-controlled analgesia:PCA)のうち,静脈内自己調節鎮痛(IV-PCA)は手技が簡便で効果が確実であり,適切に行えば有用な術後鎮痛手段となる.使用する機器には,電動式とディスポーザブル式が存在し,どちらも多種類の製品が発売されているために導入に躊躇する施設もある.今回,新規ディスポーザブル式ポンプを用いたIV-PCAプロトコルを作成し,術後鎮痛の質について電動式ポンプと比較検討した.鎮痛,術後吐気・嘔吐,離床への影響などの効果と副作用発生頻度は,電動式ポンプと遜色ない結果であった.