wide QRSとはQRS幅が120ms以上である心電図波形のことである.持続型(持続時間30秒以上)wide QRSの頻脈の場合,モニター心電図波形では心室頻拍,変行伝導を伴う発作性上室性頻脈,変行伝導を伴う心房粗動,WPW症候群などとの鑑別がつきにくいことが多い.意識状態の変化(失神を含む),虚血性の胸痛,呼吸困難,低血圧,ショックの所見がある場合不安定と判断し,ただちに同期下電気ショック(同期下カルディオバージョン)を行う.安定な頻脈である場合には,循環器科専門医の診断を受けるとともに薬物治療を考慮してよい.この際,できるだけ12誘導心電図を記録する.