日本臨床麻酔学会誌
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周術期の危険な不整脈診断のポイントと抗不整脈薬の上手な使い方 (第2回)
周術期によく遭遇する不整脈と抗不整脈薬の使い方 (3)頻脈  ②wide QRSの頻脈
望月 利昭
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2012 年 32 巻 4 号 p. 597-600

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抄録

  wide QRSとはQRS幅が120ms以上である心電図波形のことである.持続型(持続時間30秒以上)wide QRSの頻脈の場合,モニター心電図波形では心室頻拍,変行伝導を伴う発作性上室性頻脈,変行伝導を伴う心房粗動,WPW症候群などとの鑑別がつきにくいことが多い.意識状態の変化(失神を含む),虚血性の胸痛,呼吸困難,低血圧,ショックの所見がある場合不安定と判断し,ただちに同期下電気ショック(同期下カルディオバージョン)を行う.安定な頻脈である場合には,循環器科専門医の診断を受けるとともに薬物治療を考慮してよい.この際,できるだけ12誘導心電図を記録する.

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© 2012 日本臨床麻酔学会
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