日本臨床麻酔学会誌
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シミュレーションに基づいたIV-PCAメニューの設定と応用
林 和子槌田 圭一郎増井 健一佐和 貞治
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2012 年 32 巻 5 号 p. 814-820

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抄録
  フェンタニルの術後1日分の効果部位濃度を線形3コンパートメントモデルで推定して,それを基にIV-PCAメニューを作成し,その推定効果部位濃度と術後の鎮痛効果の関係を検討した.薬物動態シミュレーションの結果,手術終了2時間前までに,50kgの標準体重の患者では,フェンタニル300μgのプライミングとIV-PCA 25μg/hrの持続投与開始を基準とすることで,術後,1ng/mlの安定したフェンタニル効果部位濃度が維持できた.また,中等度の疼痛が予想される非開腹手術では,覚醒時のフェンタニル効果部位濃度を1.4ng/ml程度,術後は1.0ng/ml程度に維持することで,有用な疼痛管理が可能であった.
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© 2012 日本臨床麻酔学会
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