2013 年 33 巻 2 号 p. 200-204
近年,筋弛緩薬を包括するselective relaxant binding agents(SRBAs)という新しい概念に基づく筋弛緩拮抗薬スガマデクスが臨床上で使用できるようになった.術中に筋弛緩薬を持続投与あるいは過剰投与しても速やかに拮抗でき,周術期管理にも変革をもたらしている.一方,術中の神経筋モニタリングの必要から追加の筋弛緩薬投与が制限される症例も増加している.このような症例では,鎮痛と鎮静のバランスをとって,不動化を目指さなければならない.筋弛緩拮抗薬の投与に関しては,副作用を考慮し,臨床所見と併せて,筋弛緩モニターで回復状態を評価して必要なときに投与すべきであろう.