病院機能分化に伴う急性期医療の集約は,地域基幹病院への患者集中を誘導し,各施設では急増する手術を限られた人員で行うための,効率的な手術・集中治療の充実が重要視されている.システムの再構築,運用方法の見直し,業務環境の整備による効率化は,少ない人材を有効利用して良好な実績を実現するが,効率化により安全性が損なわれてはならず,生体の生命基礎の制御を専門とする麻酔科医が安全担保を前提に効率化を主導することは理にかなっている.本稿では,効率化への対策の一つとして,手術室の一足制について,その利便性,空間的メリットとともに手術室の空気清浄度から見た安全性について解説する.