日本臨床麻酔学会誌
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〔日本医学シミュレーション学会〕 総説
声門上器具の緊急気道確保器具としての可能性─手術室から心肺蘇生・院内急変対応へ─
駒澤 伸泰植木 隆介上農 喜朗
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2013 年 33 巻 7 号 p. 974-982

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抄録
  麻酔科医が遭遇する困難気道管理に対するDifficult Airway Management(DAM)ガイドラインにおいて,声門上器具(supraglottic device:SGD)は緊急気道確保に必須である.さらに,一般の医療従事者も対象としたAmerican Heart Association(AHA)のAdvanced Cardiovascular Life Support(ACLS)ガイドラインでも,心肺蘇生時等の緊急時気道確保器具としてSGDの有効性が示唆されている.さらに,SGDは院内急変対応(Rapid Response System)等においても有用と考えられる.1989年のLMAの発売から25年が経過したが,SGDは形状・機能的に,緊急時気道確保器具として進化を続けている.非熟練者にも習得しやすいため,手術室内での一定の訓練・教育の後に臨床のさまざまな現場での緊急時気道確保に有効であろう.
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© 2013 日本臨床麻酔学会
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