日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第33回大会 シンポジウム ─周術期医療における経営学の役割─もし麻酔科医がMBAをとったら──
麻酔診療にマーケティングを導入するということ
山口 浩史
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2015 年 35 巻 2 号 p. 209-215

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抄録

医療を取り巻く関係産業や社会情勢の変動は著しい.新しい医療技術や新薬の開発に加え,情報技術の適用は従来の医療では実現できなかった成果を生み出しつつある.しかし,医療に携わる医師や看護師,技師などが個人レベルで活動しても十分な成果を期待できる状況にはないと思われる.問題はどの患者にどの技術や薬剤を適用すれば期待される成果に結びつくかであり,サステナブルな活動をどのように開発するかである.筆者は,この部分を体系的に運用するには他業種ではすでに行われているマーケティングの手法の活用が有用ではないかと考える.マーケティングは,経営学の中で顧客のニーズやウオンツと企業,つまり,サプライヤーの業務内容をマッチングさせる学問分野である.もし麻酔診療業務の中にマーケティングの考えを取り入れれば,患者の立場を中心とする診療を提供し付加価値の創造が期待される.本稿では,麻酔業務にマーケティング視点を導入することの意義について解説する.

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© 2015 日本臨床麻酔学会
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