2015 年 35 巻 4 号 p. 475-481
最近の周術期管理において適正な輸液管理を行うことの重要性が指摘されている.特に心血管系合併症を有する高リスク手術症例および術後早期回復を目標とする症例において,その意義が大きい.従来は血圧,尿量,中心静脈圧などを指標とした輸液管理が行われていたが,最近,心拍出量を参照しながら行う輸液管理(目標指向型輸液管理)が注目されている.心拍出量をモニターし,fluid challengeによる輸液投与を行うことによって心拍出量自体が適正であるかどうか,前負荷が適正であるかどうかを同時に知ることが可能となる.