日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
短報
全身性強皮症合併患者の膣式単純子宮全摘術に対して脊髄くも膜下麻酔にて管理しえた1例
中島 昌暢河野 靖生
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 38 巻 4 号 p. 459-462

詳細
抄録

症例は63歳,女性.子宮脱に対して膣式単純子宮全摘術が予定された.59歳時に全身性強皮症と診断されており,間質性肺炎を合併していた.間質性肺炎の増悪を危惧し全身麻酔を避け脊髄くも膜下麻酔での管理を計画した.第3/4腰椎間より穿刺し0.5%ブピバカイン(等比重と高比重の混合液)3.4mLを投与し,術中は特に問題なく経過した.全身性強皮症患者は呼吸器系や循環器系の合併症も多く,個々の合併症を考慮した上で麻酔方法を選択する必要がある.また,脊髄くも膜下麻酔を行う場合には循環虚脱や局所麻酔薬の作用時間延長の可能性もあったが,周術期に問題なく安全に麻酔管理できた.

著者関連情報
© 2018 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top