日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第36回大会 シンポジウム ─これからの術中輸液・輸血管理─
周術期の凝固系管理の今後を考える
佐野 文昭仙頭 佳起平手 博之祖父江 和哉
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2018 年 38 巻 4 号 p. 504-510

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抄録

血液弾性粘稠度検査は,ベッドサイドでほぼリアルタイムに血液凝固機能を評価できる.血液弾性粘稠度検査を用いることで,心臓外科手術や肝移植手術において輸血量を減少させることが知られている.濃縮フィブリノゲン製剤は,本邦では後天的低フィブリノゲン血症には適応がないが,文献では濃縮フィブリノゲン製剤の使用で血液製剤の使用量低下,治療コスト削減,予後改善が報告されている.当院では倫理委員会の認可のもと,大量出血時の低フィブリノゲン血症に対し濃縮フィブリノゲン製剤を使用し,一定の成果を得ている.本稿では自験例を含め,周術期の凝固系管理を考える.

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© 2018 日本臨床麻酔学会
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