日本臨床麻酔学会誌
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短報
腰椎後方固定術中に生じた血気胸の1例
平田 陽祐藤村 高史三宅 健太郎竹内 直子水落 雄一郎有馬 一
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2019 年 39 巻 7 号 p. 657-661

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抄録

今回われわれは,脊椎後方固定術中に血気胸を生じたまれな症例を経験した.症例は68歳女性.L1-L5腰椎変性すべり症,腰部脊柱管狭窄症と診断され,腰椎後方固定術が行われた.麻酔覚醒後マスク6L/minの酸素投与をするもSpO2 92%まで低下し,収縮期血圧も80mmHgまで低下した.肺エコー検査では左気胸が疑われた.胸部単純X線および胸部CTでは,左血気胸を認めた.集中治療室に入室し,ただちに胸腔ドレーン留置した.酸素化および循環動態は次第に改善し,術後第28日目に独歩退院した.脊椎後方固定術中および術後の血気胸の診断に対して,肺エコー検査は有用であった.

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© 2019 日本臨床麻酔学会
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