日本臨床麻酔学会誌
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第25回日本麻酔・医事法制(リスクマネジメント)研究会 シンポジウム ─医療機関における弁護士の役割:現状と今後の展望,課題─
医療機関における弁護士の役割:医療安全管理の視点から
瀬尾 雅子
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2020 年 40 巻 1 号 p. 105-109

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抄録

医療安全管理は,医療機関内弁護士の活躍が期待される領域である.医療機関内弁護士は,医療安全上の事例から紛争リスクを早期に覚知して法的な助言を行い,紛争化を予防することができる.その他,事故調査における事実認定や報告書作成,インフォームド・コンセント文書や各種マニュアルの作成,法改正に対応した院内体制整備など,医療安全管理において法律家の能力が活用される場面は多岐にわたる.一方で,医療機関内弁護士には,ガバナンス,契約,人事労務など,医療安全管理にとどまらない院内法務機能も期待される.医療機関内弁護士の能力を最大限に生かすために組織内でどのように処遇するかは,今後検討されるべき課題である.

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