2020 年 40 巻 4 号 p. 319-324
腹腔鏡下子宮全摘術(total laparoscopic hysterectomy:TLH)と腹腔鏡下子宮筋腫核出術(total laparoscopic myomectomy:TLM)の術後痛を後ろ向きに調査し,比較した.TLHを受けた患者(TLH群)は28人,TLMを受けた患者(TLM群)は21人であった.両術式を同様の術後鎮痛法で管理したが,術翌日の疼痛部位は2群間で有意に異なり,TLH群では下腹部,TLM群では臍部が多かった.標本の摘出方法がTLHで経腟的,TLMで経腹的であることが原因と考えられた.両術式の術後痛は異なるため,それぞれの術式に相応した術後鎮痛法を検討する必要がある.